業種 | プレス成形及び加工 |
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従業員数 | 200人未満 |
モリマーコンポジット株式会社様は、繊維強化プラスチック(FRP)のプレス成形・加工を専門とする提案型企業です。顧客の商品開発の初期段階から参画し、金型製作から最終成形まで一貫して対応できる体制を強みとしています。高品質、低コスト、短納期を追求し、住宅設備分野や自動車部品分野を中心に幅広い製品を提供しています。環境保全や地域社会への貢献も重視する同社は、近年「優良申告法人」として表彰され、「茨城エコ事業所」にも登録されています。
DXが世の中で広がってきてる中で、当社もその流れに取り残されまいと考えていました。その第一歩が、ペーパーレス化の推進でした。当時は、日報や工程検査表など、何から何まで全部紙で管理していたんです。紙のいいところは、何かあったらすぐにサッと書けるし、間違えたらすぐに修正できるところです。でも問題もあって、手書きだから人によっては字が読みにくかったりするんですよね。それに、別に悪気はなくても、書いた記録が実際にやった作業と全然違っていたりして、「本当にちゃんと記録できているの?」という感じだったんです。
それから、毎日製品1台ごとに紙が1枚必要で、どんどん紙の山が増えていくばかり。そのため、記録を探すのが大変でした。紙での運用は、情報をその場で書いたり修正したりすること自体は簡単なんですけど、それを集めて保管して、必要な時にパッと見られるようにしておくのがすごく難しいんですよね。
結局、紙の運用に限界を感じ、もっと作業情報の記録と集計、検索を簡単にできないかと考えたことが、システム導入のきっかけとなりました。そして、同業他社が既にRoland DG Assembleを導入しており、色々情報は聞いていたので、当社のニーズに照らし合わせた時に効果を出せそうだと感じたため導入を決めました。
現場作業者の工程検査日報やチェックシートなど、従来は紙で運用していた業務をシステム化しました。作業実績をダッシュボードで進捗管理できるようになり、実績データを取引先への提出資料として活用しています。また、システムの実績データを基幹システムに取り込めるようにもなりました。
従来のワークフローでは、紙資料をExcelに手動で転記し、データを集計した上で、取引先に見やすいように指定形式の表やグラフを作成する必要がありました。今はこれらの作業工程である転記、確認、集計、グラフ化が全て自動化されたので、かなりラクになったと感じています。
システム導入をきっかけに、自分たちの業務プロセスを見直しました。システムに合わせて自分たちの業務を変えていこうという考えがあったので、逆に業務の整理もできたのだと思います。何も考えずに紙に記していた情報をそのままシステム化するのではなく、『これは不要、あれは必要』といった判断ができ、本来業務でやるべきこと、確認すべきことが明確になったと思います。
何より、取引先に提出するデータ作成の時間がゼロになったことが一番の変化ですね。品質に関する打ち合わせを取引先と行うことが多いのですが、そういった際にダッシュボードをそのままお見せしながら説明できるので非常に助かっています。説明がしやすいだけでなく、取引先にも理解していただきやすくなったと感じています。
先ほど言いました、取引先への提出データ作成時間が月で約100時間削減されました。また、生産日計表という資料も毎日作成していますが、これに要していた1時間も削減することができました。後は、毎日約30分かけて作成していた日報もシステムで自動化されましたので、この部分の改善も大きな成果となっています。
弊社の製品は数が膨大にあるので、それら一つ一つを工程設計に落とし込む作業が大変でした。製品数が少なければ苦では無かったんでしょうけど、ローランド ディー.ジー.さんのサポートが無ければ難しかったと思います。
後は現場への浸透ですかね。今は当たり前にスマホやタブレットを使ってますけど、こういった現場のシステムを使うっていうのは、なかなか慣れていないところもありましたので、操作を覚えてもらったり、身体に染み込ませるまでが苦労しました。
社内での展開は段階的に行いました。現場の作業者は業務から離れることができなかったため、まず管理者が操作方法を習得し、その後、各工場に赴いて現場スタッフにレクチャーする形で進めました。不明点については、ローランド ディー.ジー.さんに何度もウェブミーティングしてくれたおかげで、私自身は特に困ることはありませんでした。また、弊社に直接来社いただき、操作説明会を実施していただいたこともありましたね。
意識していたこととすれば、組織全体としての目標共有を重視していました。当然、新システム導入当初は抵抗感が生じることもあり、業務運用の変更は誰しも不安を感じるものです。しかし、最終的に組織全体でどのような改善が実現するのかという点を、しっかりと共有することが不可欠だと考えています。
当社の場合は、蓄積したデータをいかに活用するかを目標として運用しています。そのため、初期段階ではどうしてもデータを蓄積するだけの運用となり、即時的なメリットを実感しづらい面がありました。だからこそ、その先の未来にどのような好影響があるかを組織全員で認識できていることを常に意識していました。
最初はDXというのが全くイメージできていなかったのですが、システムを導入し、まずはペーパーレスから始めることで、徐々に当社におけるDXの方向性が見えてきたという実感があります。現状は作業の効率化、作業実績データの蓄積段階であり、DXというよりも”デジタル化”している段階だと認識しています。
そのため、DXの”X(トランスフォーメーション)”を本格的に推進していくために、今後取り組むべき課題はまだ多いと感じています。具体的には、蓄積したデータの有効活用を目指しています。集計した作業工数や作業時間、停止時間などのデータをフル活用し、より精密な生産性指標の実現に取り組みたいと考えています。
モリマーコンポジット株式会社
業種 | プレス成形及び加工 |
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従業員数 | 200人未満 |
モリマーキャスティング株式会社
業種 | 注型樹脂製造 |
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従業員数 | 100人未満 |
株式会社浜松パルス
業種 | 製品組立製造 |
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従業員数 | 100人未満 |